2011年1月28日金曜日

International Children's Day of Broadcasting

「世界子ども放送日」について紹介します。

 3月の第1日曜日は2011年国際子ども放送日です。世界中の放送局がTune into Kidsを合言葉に子どもたちのための番組づくりをしたり、子どもについての番組を放送するだけでなく、何よりも子どもたちを編成プロセスに参加させ、自分たちの夢や希望について、話をシェアする日です。毎年、百カ国以上の数千もの放送局が参加しています。

 テレビとラジオはグローバルな問題についての意識を高める重要な役割を担うメディアです。また同時に、子どもたちの生活を形作る上でも大きな役割を担っています。ユニセフでは、放送局に対し、自国の子どもの発育を向上させるために、子どもたちの苦境を詳しく描いたドキュメンタリーや、ジェンダーステレオタイプを取り除くようなドラマ、差別を減らすようなアニメーション、勉強になり同時に面白い番組作りを促しています。テレビやラジオは子どもたちや若者にとって意義のある、ポジティブなメディア経験となることができるのです。

 ユニセフは3月6日だけでなく年間を通して若者に電波(放送波)を開放するよう主張しています。

今年のテーマは、「GIRLS ARE...BOYS ARE...(女の子って、男の子って)」
 女の子でいることの意味は?男の子でいることの意味は?それぞれに特有で生まれ持ったふるまいや能力、関心はあるのでしょうか?ジェンダーのせいでできなかったり、やらせてもらえなかったりすることはあるでしょうか?いずれも、生涯に同じだけの機会が与えられているでしょうか?

 世界各地で男性と女性の社会での役割は異なります。思春期は少女や少年から大人へシフトする時期であり、ジェンダーの役割にフィットすることに直面する時期です。若い人達が、同じ年代の仲間がどう思っているか表現したものを見聞きすることは大切です。

 国際子ども放送日(ICDB)は若者の意見を見つけ、その視点や物語に耳を傾けるプラットフォームを提供します。テーマに対する決まったひとつの答えはありません。若者たちにとって、さまざまな役割を知ったり、色々な夢を見聞きすることはインスピレーションとなるでしょう。

 放送局はICDBが提供する素材を利用してスペシャルプログラムを組むことも出来ます。ロゴやグラフィック、素材などの用意があります。

 どうぞ2011年3月6日の国際子ども放送日にユニセフとともにご参加ください。優秀者はICDBアワードを受賞するチャンスがあります。詳細についてはこのページから

2011年1月23日日曜日

なくなるラジオたち




































パブリックメディアキャンプの報告を置いてきぼりにしたまま、ラジオの話題をひとつ。
SFGate.comによると、サンフランシスコ大学は、カレッジラジオKUSFの電波帯をクラシック音楽局に売却し、オンラインのみとすることと決定。これまでボランティアで参加していたDJや学生から反対運動をしています。

学長は「学外からのボランティア参加者が多く、学生の利益になるものでないから今回の決定にいたった」と話ています。

SFGate.comの記事では「この日、音楽は死んだ」との書き出しで始めていますが、ラジオがなくなると本当にそうだな、と思います。昨年の愛知国際放送の免許返上はミッドランド、東海エリアを構成する様々な住民にとって、音楽が途絶えてしまった日だと感じます。

2011年1月4日火曜日

「アンカンファレンス」Unconferencing @PublicMediaCamp

2010年11月20日と21日にアメリカン大学(D.C.)で開かれたパブリックメディアキャンプについて報告します。

NPR、PBS、iStrategyLab、Center for Social Mediaなどが共催している公共メディア当事者+パブリックのミーティングです。会場にはNPRのCEOであるVivian Schillerや公共放送局で働く人たち、プログラマー、コーダー、ディベロッパー達、そしてパブリックメディアに関心のある人々が集まりました。

だいたい300人くらい参加している、とのこと。そのうち感覚的に3割くらいはプログラマーやコーダー達です。もし日本放送協会が支局と本社と業務委託の人々をつなげるフォーラムを行ったら、プログラマー達がたくさん集まることは期待できないでしょうが、アメリカの公共放送界隈では、APIを通じたコンテンツに非常に高い関心が寄せられているからなのです。

●Vivian Schiller [NPR CEO]
「去年と同じようにこの場所に立てて光栄です。パブリックメディアキャンプは全米各地でも開かれるようになり、とてもわくわくします。今回の参加しているみなさんは、民主主義に貢献している大変重要な役割を担っているということをぜひ認識して下さい。あなたたち一人一人がパブリックメディアを通じてこの国の情報弱者にニュースやカルチャー、質の高い情報にアクセスしやすし、民主主義に参加しやすいようデザインしてくれているのです。またグーグルのマイケル・フレドリックさんにはNPR一同とても感謝しています。」

パブリックメディアキャンプ(以降PubCamp)に参加してびっくりしたことをいくつか。

★当日になってもスケジュールが無い
「アンカンファレンス」という形式の会議で、上記のビデオをご覧いただくとわかるのですが、当日みんなであつまってから一気に全員の自己紹介(名前、所属、自分を表すタグを3つ)をします。PubCamp会場となるいくつかの会議室で自らセッションを開きたい人はセッションのタイトルと簡単な説明をし、それを3人の速記者がメモしていきます。全員の紹介が終わると、セッションの部屋割を多数決で決めていきます。それが終わると写真のようなスケジュールができあがります。


★自由!(あなたもあなたもパブリック!)
iStrategyLabのPeter Corbettがこう話します。
「このPubCampはあなたのPubCampです!なんでもこうしたほうがいいと思ったら、私達に聞かなくてもやっちゃってください。お手洗いへの道順を示す紙が壁に張ってないのは、だれも貼らなかったからです。もっといいPubCampになると思ったら、自ら進んで行動してください」

「セッションを立候補した人も、プレゼンをする必要はありません。会議室で輪になってみんなで発言しあうようにしましょう」


一方で、ちょっと気になることも。
ただのブロガーです、とか地元でコミュニティーオーガナイザーやってます、みたいな人はあまり参加していませんでした。私は個人的に、ヒスパニックが全然いないぜ!と思いました。DCに来る前日まで、NYのアップタウンに滞在していたせいかもしれませんが・・・。アジア系の公共放送ではたらくある女性も「あまり、わたしたち(つまりいわゆる非白人層、マイノリティ層)が会場にいないわね!去年もそうだったんだけど」と話していました。この指摘は、Black Public MediaのNonso Christian Ugbodeもブログ(2009年のPubCampについて)で指摘しています

「パブリック」とか「公」と言ったときに、あなたや私がいないけど「とりあえずみんなのもの」、とかお上のモノ、になってしまう日本の状態と少しオーバーラップする部分も。こうしたことは、どんな場合にもそうなのかもしれないな、と思いました。

セッションの内容や印象に残ったことはまた改めて書きます。

Life Inc. 日本語字幕付けました

12月18日にNYで行われたメディア向けのブックパーティーに潜入してきました。
そこでLife.Inc 著者Douglass Rushkoff氏にお会いすることができました。




2010年の春頃、何かのきっかけ(たぶんTED→Seth Godin経由)で知りアマゾンで買って、旅行直前にブックパーティーの情報を知って、本誌持ってNYに行きました。このブックパーティーには小説家やライターなど4人くらいパネリストがいて、かなりカジュアルな感じでした。作家たちはそれぞれ少しの間朗読し、帰りには最新作のペイパーブックの無料配布もありました。

会場では@rushkoff氏ともお話しでき、「スペイン語字幕は誰かやってくれたよ。日本語もどうだい?」ということだったので挑戦してみました。

ビデオで語られている「仕事が終わると疲れ果てて、誰かと何か一緒にしようなんてとうてい思えない」
「競い合っているからフレンドリーな雰囲気で人と出会うことは難しい」
という部分には、かなり共感しました。