Historian William Mann On How The 1918 Spanish Flu Changed Hollywood Forever & How COVID-19 Might Too
The year was 1918. As World War I was ending, the Spanish Flu began ravaging the world. Within a year, it killed 675,000 Americans and 50 million worldwide - 10 million more than those who perished in the war. There are several parallels between the response to the Spanish Flu and COVID-19 in the U.S.
こちらの記事が興味深かったので簡単に紹介します。
ハリウッドの歴史小説家William J. Mannが、かつてスペイン風邪の流行った1918年~のアメリカ映画産業の変貌について語ったインタビュー記事。今あるハリウッド式の映画産業の仕組みができたのがちょうどこのパンデミック以降からだということです。スペイン風邪の流行で、映画館も休業要請に見舞われ、それまで多数を占めていた夫婦でやってるような独立系、自営業の映画館が経済的に持ちこたえることができず、閉館を余儀なくされるていきました。そこに追い打ちをかけてたたき買いしていったのが今のパラマウント映画の祖であるアドルフ・ズーカー。予てから、制作、配給、上映の映画に係るすべての側面を効率よくコントロールしたい、と考えていたズーカーは、パンデミックを商機として、つぶれそうな映画館を安く買収(このとき、この値段で応じなければどっちにしろうちが向かいにでかい映画館を作ってお宅はつぶれることになる、というような交渉にでたとしています。なんだか不動産のFlipperみたい)し、今の映画スタジオの仕組みの原点となります。
こうして配給や上映の手綱を握るようになっていくと、今度は映画産業に従事しこれまで生業として意思決定の立場にあり自己完結できていた有色人種や女性の働く場所を結果的に奪っていきます。近年のオスカー授賞式では、#OscarsSoWhiteとかMeTooといった追いやられた人たちの抗議が目立つようになってきていますが、その抗わねばならないような起点がスペイン風邪の流行った時代に作られた流れだと思うと、歴史を見つめ直す価値は本当に大きいなと思います。それから、当時ハリウッドスターがスペイン風邪に倒れた原因として、マスク着用の要請に対し、男らしさが半減する、とマスクを拒否した俳優が多かったことも挙げられています。マスキュリニティ、オーナーシップ、などなどメディア研究のツボをある意味で全押ししているような、重要ポイントが詰まった出来事だなぁ。
この記事ではCOVID19との対比をしながら読むのでより一層読みごたえがあるもの。ズーカーのやった垂直統合やビジネスモデルは現代のNETFLIXにも引き継がれています。
スペイン風邪で映画館が休業したりソーシャルディスタンスを保ったり、協会側が知事に陳情したり…。かたや知事は誤って一度収束したものと誤解し、緩和したところ、第二波、第三波の被害がでるといった年表が記事の下にきれいにまとまっています。上述のツボ以外の点でも、興味深い記事でした。