ちょっと長くなりそうなんですが。。。アメリカのPublic Media Platformと日本のコミュニティラジオのこれから、を話したい・・・
http://www.current.org/web/web1011platform.shtml
アメリカでは、ラジオ局が、規制緩和により合併&統合され公共の電波帯を牛耳っているのが一握りの巨大資本になり、プログラムの統制が簡単になりました。なかでも「クリアチャンネル」は千数百のラジオ局を手中に収めており、ブッシュ政権当時には反体制的な局やDJを禁止したり解雇したりして話題になりました。
ラジオの統合による影響はこんな感じ→「たいして素敵な音楽とも思えない曲がラジオでかかりまくったり、アメリカじゅうどこにいっても同じ曲がかかる、しかも数時間に一回ぐらいの勢いで!」
そんなクリアチャンネルのおかげで、インディーズのアーティストが十分にプロモーションするはけ口がなかったり、地元で重要な問題があっても放送されず、セレブリティのニュースにかき消されてしまう。
メディア統合のこうしたネガティブな状況を念頭におきながら、昨年から私が勝手に描いている日本でのYouth Media実現のための妄想/構想「こっちのクリアチャンネル作戦」について説明させてください。巨大資本に牛耳られてしまった電波を、市民の側に取り戻すためにクリアチャンネルの手法でこっち(public)のものにする。日本中にあるコミュニティラジオ局は200以上!エリアが限定されているけれど、マス受けしないと思われがちだけど十分に基盤のあるサブカルチャーなどを得意とする上質コンテンツは十分に存在します。また、地域ごとにかかえる問題などの議論はひょっとしたら日本中の各地で起こっているのかもしれませんが、これまで情報共有されるきっかけがあまりありませんでした。そこで、現在の技術を使って同じ放送をオンラインでネット上で人々が聞けるようにする仕組みができればいいのに!
たとえば、日本にはヒップホップの放送局はないけれど、日本全国津々浦々のコミュニティFMのうち6局に1局くらいはちゃんとブラックミュージック関連の番組がある。(タイムテーブルで確認できるかぎりなので完全な統計はとり途中だけど、まー200局からかき集めればヒップホップの番組が30個くらいは確実にありそう、All Day Every Day!)それらの情報をネット上のひとつのプラットフォームにまとめて、そこで聞けるようにすればこっちのクリアチャンネル完成!
ところが、ネット上で放送すると「複製」になり、新たに必要になる著作権使用料がでてきてしまうようです。現在日本では、著作権の問題に対応した形で実施されているのが「サイマルラジオ」というものがあります。
しかしそれだけではちょっとまだものたりません・・・
平成21年12月ころから「ホワイトスペースの活用など新たな電波の利用方策に関する
提案募集」が総務省でありました。私は研究者でも何でもないから、躊躇しましたがむしろ市民メディアを求めるのに市民の提案は規格外とかいうことでは本末転倒でしょ?やっぱパブコメ提出してもいいはず!と思っておそるおそる提出しました。恥恥恥
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1.提案内容
タイトル パブリックアクセスチャンネルの一環としてのユースメディア(Youth Media)の設立実現
【提案概要】
パブリックアクセスチャンネルが設立されたとした場合
(利用される電波跡地がいずれの形式であっても)
(想定されるサービス)
市民は、情報権を行使し
・居住地域においてケーブルテレビやコミュニティ放送局にアクセスし、自身や地域、世の中を取り巻く問題について提起し情報発信することができる
・情報発信に際し必要な手段について上記の施設を利用できる。
・その情報が十分に伝達されるためにパブリックアクセスチャンネルを通じて放送されるコンテンツを提供することができる。
・日常のメディア接触に対するリテラシーを高めることができる
Youth(若者)は、既存の放送メディアにおいて自主性を保ちにくく、受け手として主に存在した。また選挙権・被選挙権を持たない点で意見の表明が難しい。それらの不足を補完するために
・多様な若者の意見を取り上げる
・若者の独自の視点を活用
・メディアリテラシーの向上
・音楽や芸術などの文化的コードを取り入れる
上記の内容に則り、若者(25歳くらいまで)が制作したコンテンツを広く発信する機会をつくる。世代間のギャップを減らし互いの理解を広めるきっかけを作ること、若者自身にとってエンパワーメントとなることを目的とする。
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2.提案内容の実現による効果
・コミュニティー放送に参加することで若者の市民参加につなげる。
・地域的問題や個別な問題を地域内の電波で共有するだけでなくマルチメディア放送やデジタル配信などを通じて、地域間で共通した問題に対し情報を共有することができる。
・世代間のコミュニケーションを促進する
・多様なユースカルチャーの発展、また文化産業への期待
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3.提案内容の実現に向けて検討すべき課題とそのための方策
・各コミュニティ放送局のサイマル放送の充実
・非商用やフェアユース、クリエイテイブ・コモンズライセンス下においての電波放送とストリーミング配信をより活発化できる法制度
・IP電話のパーティーライン等を利用し、国民的議論の活発化させるための基盤づくり
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4.その他 (海外の取り組み状況)
各国においてはパブリックアクセスチャンネルや、若者が作り手の番組やメディアが存在している。NPOセクターやパブリックアクセスチャンネルベースのものから、college radio、MTV等の商業放送における青年部局など。
アメリカにおけるプログレッシブな社会運動キャンペーン(特に2004年以降の.orgブーム)において市民メディアやエスニックメディアといったアマチュアが発信するコンテンツは重要な役割を担った。
また韓国は文化コンテンツ産業を観光体育省から強め、若者のサブカルチャーに対して予算を組み様々なプロジェクトを行っている。日本ももっと“多様な”文化を産業としてもっと戦略的に生かす方法を。
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要はフェアユースも一緒にやってほしい!っていうのが私の中で大事だったんだけど・・・。フェアユース&サイマルでコミュニティラジオはもっと活性化されると思うのねん、それだけじゃなくインディーズの音楽シーンやコアなジャンル、音楽ファンにとってプラスな効果は生まれると思うんよ。で、できるかぎりマイクロペイメントみたいな形で、いわゆるUstreamの投げ銭みたいな仕組みで番組やアーティストをサポートすべし。お金の仕組みの全貌を話したいけどウザそうなのでこの辺にする。
とにかく、私は勝手にこうなったらいいな、を描いているわけだが、どうやらまさにそれをアメリカでは実現させそうなのだ。
http://www.npr.org/about/press/2010/PMP_Graph.pdf
Public Media Platformというプロジェクトで今年いっぱいにはできるんだろうとのこと。
↓はそのうちのひとつPublic Exchange RadioでしかもCC。
巨大資本に取られてしまったみんなの議論の場を、あなたもわたしも彼も彼女も参加できるもっと身近なものにしてくれるPublic Media Platformは、こっちのクリアチャンネルにしてくれるかも!
必読↓(英語)
http://blog.prx.org/2010/06/public-media-platform-phase-one-kicks-off/
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